エロスが降臨しない件
雨の日は無性に人肌が恋しくて(JG)
外では雨がザーッと音を立てながら降り続いていた。
予想以上に雨の勢いは強く、ダアトの宿屋で雨宿りをする事になった。
‡雨の日は無性に人肌が恋しくて‡
部屋割りは適当であり、ジェイドはガイと同室。ルークは独りになっている。此処がダアトである為、アッシュが乱入するだろうと言う予想を立ててだった。
「よく降りますねぇ…」
パタンと読んでいた本を閉じ、ジェイドは窓を見る。何か淋しい部屋。
嗚呼。ガイが居ない。
「こんな大雨の中、一体何処に行ったのでしょうかねぇ」
ジェイドは独り淋しく呟く。
さっき迄隣に居たのに。そう考えていると部屋の扉が開かれた。
「……」
「ガイ!?」
部屋に入って来たガイは頭から体までずぶ濡れだった。何故そんなに水浸しなのか。
「何をして……」
「水遊び?」
ガイは困った様に笑いながら疑問系で答えた。
「風邪を引いたらどうするつもりですか」
溜息混じりに呆れた様に言った。大きめのタオルを持って来てガイに被せてやる。
「風邪引いたら…旦那が見てくれるだろ?」
確信犯の顔。ジェイドを挑発しているかの様に。
「こっちに来なさい。拭いてあげますから」
ジェイドに呼ばれて近寄る。そうすると思いっきり腕を引かれジェイドの腕の中にダイブした。
「…拭いてくれるだけじゃなかったのかよ……」
ふてくされた様に、でも何処か照れている様に、呟いた。
「風邪を引かれては、困りますからね。暖めてあげます」
雨に打たれていたお陰で、ガイの体は酷く冷たかった。
どうしてずぶ濡れなの?
貴方に暖めて貰いたかったから。
fin.
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