Dream3
Stage1-5
目が覚めたら、そこには見慣れない町並みがあった。
「怪我は無いけど…少し頭痛がする…」
頭を押さえ、とりあえず人の居るところへ向かおうと、立ち上がって歩き出した。しかし、気温の高さにすぐ顔を顰めた。
確か今は冬のはず。しかもイタリアはこんな和風の風景などではない。
「…何処なの、此処は……」
AKUMAの恐ろしい能力に気付くのは、後もう少し先。
Stage1 Change the world 5
廃墟に残された者達に静寂が訪れる。沈黙を破ったのは、AKUMAの方だった。
<任務完了。龍族の娘ヲ異世界へ飛ばシタのを確認>
その言葉に放心していた二人がはっと息を呑む。そして、刀の柄を握り締めた神田が尋常でないスピードでAKUMAに突進する。
「テンメエェェ!!」
――ガキィンッ
刀とAKUMAの硬いボディがぶつかり合う。そして、渾身の力を込めたそれによって僅かなヒビが入る。
「ユウ!どくさ!!」
神田が殺気を放っていたので、AKUMAはラビの存在など忘れていた。
背後から現れた彼に、思わず目(かどうかわからないもの)を見開く。
「これで終わりだ、劫火灰燼・直火判!!」
炎を纏ったラビの大槌がAKUMAの顔面に直撃する。しかし、一発では壊れないのが、さすがLv.3と言ったところ。それでも、ヒビが広がっていく。
「滅びろ!!」
脆くなったAKUMAのボディに、神田の刀が一閃した。
<グガアアアアァァァ>
AKUMAの断末魔が廃墟に響き渡る。
しかし、その場にAKUMAを倒した喜びはない。
「燐、何処に行ったんさ」
不安げなラビに背を向けて、神田は拳で壁を打ち付けてそれを破壊した。
「――クソッ」
「(何処に行きやがった、燐――…)」
――その声は、もはや届かない
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!