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Dream3
Prologue


仮想19世紀―――…世界を終焉に導こうとする千年伯爵率いるノアと殺人兵器AKUMAに対抗すべく立ち上がった黒の教団と呼ばれるエクソシスト達の戦いが続く世界。

黒の教団、そこに一人の少女が所属している。この話はその少女の人生を描いた戦いの物語である。




Am6:00
辺りがまだ静かなこの時間に、一人の少女はエクソシストの証である黒い団服を纏わずにインナーのみの姿で自室から出て来た。

黒髪に翡翠の瞳を持つ容姿端麗な少女。肌にぴったりとした服の為に、彼女の鍛え抜かれた中にも女性特有の丸みを帯びた、均整の取れているボディラインがはっきりとわかる。
そのスタイルは、誰が見てもずば抜けていると思うだろう。身長は標準程度だが、その姿勢の良さから実際よりも高く見える。そんな彼女に見惚れる男も、少なくない。

コツコツとヒールがあるブーツを鳴らせて、廊下を歩く。その足は、いつものように森の訓練場へと向かった。

「…ユウ、居るかな」







薄暗い森の奥で、一人の少年が瞳を隠しながら真っ黒な剣で素振りをしていた。
その線は鋭く速い。一部の乱れもなく下ろされるそれは、芸術的とさえ言える。そして、彼の服装もまた、少女と同じ漆黒だった。

「――…ユウ!」

少し走って来たにもかかわらず、少女は息も切らせずに少年の隣に立つ。彼は長い黒髪をなびかせて振り向いた。

「…おう」

目隠しを取った素顔は整いながらも無表情だったが、少女に向けるそれに冷たさは感じられない。

「…相手、してくれない?」

エクソシストにとって、体を鍛えるのは当然のことだが、それでも相手が居なければ成果はまるで違う。

「いいぜ、かかって来いよ」

薄く笑みを浮かべた少年に、少女も口端を上げた。
二人は時間の合う時は毎朝、これが恒例となっているのだ。そして今日もまた、いつもの鍛練が始まる。










豪華な食卓に、浅黒い男女が並び、その際奥に一際白い服を着たシルクハットの男が座っている。

「皆サン、よく集ってくれましタv今日はそれぞれ任務をオ願いしたいのデスvv」

機嫌よく切り出したのは、彼らのリーダーであるシルクハットの男、千年伯爵である。

「マジかよ!?」「マージでぇ?」

奇妙な格好をした双子が、不満げな声を上げる。

「甘くない…」

大柄の男は、食事にけちをつけ、向かいの美青年はため息をつく。

「ティキポンにはちょっと特殊な任務をお願いしマスヨ☆」
「げ」

更にため息をつく彼の後ろは哀愁が漂っている。それを隣の少女は面白げに笑う。

「キャハハハハvティッキー、カワイソー」
「やれやれ…」
「サァ、開幕ですヨ★」

彼の後ろに、一体のAKUMAが控えていた。

「行きなサイ、龍族の娘の下へ」





―――…日常が壊れるのは、本当に突然のことなんだ。





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あきゅろす。
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