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Dream1
Act.5 刺客



葵4歳、綱吉3歳の秋。それはひとつのターニングポイントだった。









「(……ん?)」

いつものように本(『人体の急所を知りつくせ!』)を読んでいると、微量の殺気を感じた。

「まさか…綱吉!?」

すぐさま飛び起き、庭で遊んでいるはずの弟の元へ走る。そして、恐れていたことが起こった。










「うわああんっ」



その泣き声に葵は瞬時にして頭に血が昇った。荒々しく扉を開け、叫ぶ。

「綱吉!!」


今にも喉元を突き刺されそうな姿が目に入り、咄嗟に近くにあったフォークを投げた。
しかし、それはいとも簡単に弾かれ彼女自身も捕まってしまう。

「ぐっ…!」

顎を掴むように引き上げられ、喉に痛みが走る。かつてない焦燥感に襲われながら、葵はただ綱吉の安否を気にした。

「…なんのようっ…ですか」

苦しさに顔を歪め突きつつも情報を得ようと必死で言葉を紡ぐ。


「…ボンゴレの後継者候補だな」

確信のこもった言動に眉根を止せる。そして、“ボンゴレ”という言葉――葵の脳裏に先日の父とある老人の会話が蘇る。




――『この子にはボンゴレの血が濃く受け継がれている』

――『では、綱吉が10代目候補となるのですか、9代目…』





気絶してしまった弟を見つめ、拳を握りしめた。















――わたしは、無力だ
















すぐに父が救出してくれたが、葵の心には深い悔恨が刻み込まれたのであった。



数日後、彼女はある決断を下すことになる。



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