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短編夢
確信犯だった(黒子生誕記念/男主/攻主)
「僕、今日誕生日なんですよね。」

『いきなり人の家きて開口一番にそれって何だ。プレゼントねだってるってことでオーケー?後おめでとうメールしたよな。』

幼なじみのテツヤがいきなり訪ねてきた上に
そんなことを言ってきた。

「話が早くて助かります。」

では上がらせてもらいます、お邪魔します、とずかずかと俺の部屋に直行していた。

『おい。おい。』

メールでやりとりは結構していたけど、久しぶりに会ったかと思えば強引だな!




「相変わらず、殺風景な部屋ですね。」

『普通だろ。』

無駄に物が無いだけだ。

「あ、泊まってもいいですか。」

『いいけど、前もって言え!』

親が海外赴任していて、俺は一人暮らし中なので、実際許可も何もないけど。

「有難うございます。久々に遊羽に会えて嬉しいです。」

『......そう、だな。ずっとバスケで忙しそうだったしな。』

「はい。ずっと、会いたかったです。」

テツヤが俺に抱きついてきた。テツヤは幼なじみであり、俺の恋人だ。

『嬉しいけど、離せ。』

「何でですか。愛しい恋人の抱擁ですよ?」

自分で言うな自分で。

『今から夕飯作らないと。』

「手伝います。」

ゆで卵でいいですか?と言うので、蹴っておいた。

簡単にチャーハンとサラダを作って二人でテーブルにつく。

『バスケ、優勝おめでとう。』

「...ありがとうございます。」



夏のインターハイでテツヤが負けた時に、言った。

僕は、この誠凛で日本一になりたい、と。

来年じゃ駄目なんです、今年じゃないと、と言うので、応援すると答えた。

そうしたら、遊羽がいると僕は甘えてしまいます、だから、ウィンターカップが終わるまで会えない、こんな僕に愛想が尽きたなら、別れて下さい、ゴメンなさいと言われた。

いきなりそんなことを言うから俺も一瞬反応が遅れたが、テツヤに別れる気はないと伝えた。

「嬉しかったです。君が、馬鹿にするな、ずっと待っててやるから、必ず日本一になれと言ってくれて。」

その時のテツヤは嬉しそうに笑っていた。必ず勝ちます、と言って。



『それで本当に日本一になるから、凄いよな。』

「誠凛の皆が凄かったんです。」

本当は、決勝戦観に行ったけど、言わない方がいいかな。来るなとは言われてないけど。


「あ、決勝戦観に来てくれてありがとうございます。」

『バレたか。良く分かったな。』

試合でいっぱいいっぱいだと思ったけど。

「君が僕を見つけるように、僕も君を見つけるの得意なんです。」

そんな可愛いこと言うなよ。

『あ、あー、えーとなんだっけ?火神くん、彼も凄かった。テツヤもお世話になってるみたいだし、ゼヒゴアイサツしたいな〜。』

「何か怖いので紹介はやめておきますね。」

メールで火神くん火神くん書かれれば、そりゃもちろん嫉妬はする。

でも彼は確かに凄かった。テツヤがいた帝光中のキセキの世代は、敵なし、というくらいに圧倒的な存在だったと聞いている。

決勝戦も、厳しい状況の中で勝利をもぎ取った第一人者だと思う。

『いいチームだったな。』

「はい。」

一時期は凄くテツヤが不安定になっていたから心配したけど、もう大丈夫そうだ。

『あ、誕生日ケーキはないから、プリンでいいか?』

「有難うございます。大丈夫です。」

『では、改めて誕生日おめでとう。』

「はい。これからもよろしくお願いします。」

もう少し早く来るって言ってくれれば、買ってきたんだけど。

まあ、特にそこらへんは気にしてないんだろうな。


「遊羽も、ありがとうございます。ずっと待ってくれて。」

『待ってただけだよ。』

「僕はそれが嬉しかったです。」

本当は、テツヤと同じチームで戦えれば一番良かったけど、俺はあまりにもバスケの才能がなかった。

だから、そのことに関しては口出ししないことにした。

『ちょっとだけテツヤの方が他に好きな人が出来て俺がフラれるんじゃないかと思ってた。』

「あり得ないです。これから先も遊羽しか、ないです。」

俺の横に座って、肩にもたれかかってきた。

『やけに素直で嬉しいけど、俺思春期だからそういうことやられるとムラムラするんですが。』

「おや、遊羽知らないんですか?」



僕も君と同じですよ、とテツヤは笑った。



『...今日寝れると思うなよ。』


「僕は遊羽と寝たいです。」



君も同じですよね?と言われ、俺の理性はそこで切れた。

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あきゅろす。
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