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繚蘭学園
13
失くなったものは大きい。金額もそうだが、それよりも価値が失くなったこと、今までの行い全てが盗まれたことで否定されていた。

「弥尋…なら…。」

「もう、それ以上やめてくれ。俺は真尋じゃないからわからないし、価値なんかわからない。」

「そう…弥尋はいつも偽善者だもんね。見て見ぬフリが上手いね…。」

「……くっ。勝手にしろよ。」

真尋の一句一句が棘を持って突き刺さる。
泣き出しそうになりながら、でもどこか頼りたいのに頼れない碧い瞳が向こうで泣いている。

それが伝わってくるからこそ、何も言い返せずに閉めるドアを振り返ることもなく出ていった。


自尊しすぎただけ。

誰かに抱かれることで、忘れ去ることが出来る、この体に特別な価値があると思っただけで何もそれは変わることがなかった。

両手は真っ白に汚れた。羽ももう欠けて飛び立つことも出来そうにもない。

弥尋が出ていったあと、真尋はただ一人むせび泣き続けることしか出来なかった。

泣いても今更、誰かを愛する資格も愛される資格もない。

純潔な体と心ならまだしももう、あの快楽と味をしめてからはそう簡単に普通に戻れる気がしなかった。

だから…、もっとどん底まで落ちたらいい。

娼婦の様に、また一から誘惑して腰を振っていればまた必要とされるだろう。

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