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繚蘭学園
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いっそ弥尋に笑い飛ばして貰いたかったのかもしれない。

そうすれば、どんなにダメなヤツで取り柄は顔だけなのかを自分で認識できる。

話して行く内にカラカラ音を立て、一至が指先で氷を回して遊びはじめていた。

「…俺は、一至サンは綺麗だし性格も悪いと思わないですよ。」

真っ直ぐな瞳で弥尋が一至の視界に飛び込んでくる。

「俺、一至サンのこと好きですよ。話し相手にもなりたいと思ったし、だから…。」

「サンキュ、だけど慰めならいらない。俺は大丈夫だから…。」

大丈夫。それはただの強がり。
今日は何もかも忘れようと思ってたのが、こんなにも飲んでる内に辛くなるなんて思ってもみなかった。

「貴方のコト。最初はただの客としか見ていませんでした。でも、綺麗で繊細で傷付きやすい人なんだなって。」

「いや、お世辞はいらないよ。実際自分でもわからない。」

「一至サン…。」

弥尋の顔が近い、少しアルコールの匂いがする。

弥尋の唇がゆっくり一至に重なっていく。

魅惑的なオッドアイに吸い込まれるように、何も考えられなくなっていた。

「そんな女、俺なら願い下げです。」

弥尋がきっぱり断言する。
更に深く唇を奪われ、アルコールのせいなのかそれとも弥尋のキスが上手いのか、一至は脚に力が入らなくなっていた。

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