香蘭学園 30 そして驚いたことに浬の友人である日狩が総合3位。物理と化学に至っては首位だということに目を疑った。 信じられない。 思わず目を擦り再び凝視していた。 浬は生物と化学を取っていたので物理は選択していない。化学においては日狩と同率首位であることに驚きを隠せないでいた。 ちなみに朔夜は総合5位。 「あの人達…頭いいんだ…。」 咄嗟に呟いていた。 見た目には全く勉強が出来そうには見えないのに関わらず、Sクラスとだけあって上位に名前が載っている。 思わずクスクス笑ってしまった。 「藍…ちゃん?どうかしたの?」 「ん、んー何でもないよ!独り言。」 考えていた事が失礼に当たると思い気持ちを切り替え、急かすようにその場から離れようと利華と彰を促す。 嬉しくて胸が異様に弾む。今までこんないい成績を取ったことがないから尚更。 浬に感謝していた。早く伝えたい。歩く足が勝手に速くなっていた。 「藍ちゃんっ、待ってよ!」 「利華が追いつかないってよ!」 息切れしながら利華が藍の後を小走りでついてくる。 「ご、ゴメン。」 自分気づかないうちにかなり浮かれていたことに反省していた。 「藍ちゃん、良かったね。」 ニッコリ利華が嫌みじゃなく純粋に笑いかける。 「ウン…。有難う。」 コクンと吊られて藍も笑顔で答えていた。 [*前へ][次へ#] |