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香蘭学園
20
放課後―――。

保健室前は人だかり。既に列をなしてワラワラとココに浬が居ると噂を聞き付けた生徒が集まっていた。

迷惑そうに追い払う保険医、真壁の姿があった。

「ウザイ、お前らさっさと勉強に励めよ。考査始まるんだろーが。」

冷たくあしらうのはお得意。
尤もらしい言い訳を淡々と口にするなりピシャリとドアを閉め鍵を掛けていた。

押しかけ生徒の不平不満の声が聞こえても無視。

何事もなかったように振る舞い、落ち着くようにタバコに火を付ける。

「お疲れサン。今日も一段と気が立ってンの?」

「オイオイ…。カズシ不機嫌って…後で怖いんだけど俺。」

人事のように手を叩き面白がる保健室常連の日狩と大学が休講だったタメに遊びに来ていた弥尋が不機嫌そうな真壁を見るなりそれぞれのリアクションを見せていた。

「あぁ?大槻、テメェも部屋で勉強しろよ。つか、弥尋も遊びにきてんじゃねーよ。」

面倒臭いのか、一般生徒を捌くのに疲れたのか真壁の表情は不機嫌窮まりない。
「ヒデエ…もし真壁センセ-がピンチになったら助けてやろうと思ったのに。」

思ってもいないコトを言うなり日狩がニヤリと口角を上げて笑う。

「それはそれはどうも。都合のイイ時だけ先生トカいらねぇから。」

「あぁ、真壁チャンの方がイイわけね。」

真壁は全くもって相手にしていない様子だ。
それどころか呆れ返っている。

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