香蘭学園
15
似ても似つかない容姿の日狩と朔夜。
「知らなかった…似てないし。」
不思議そうに藍がポツリと漏らした。
「そうだろ?こんな似てないなんて突然変異だよな。日狩、無駄にデカイし。」
「朔夜、そんなこと言って…後で×××―――。」
「アァァー、聞こえない。つか、言うな。」
伏し目がちに意地悪く日狩が朔夜を見下ろし卑猥な台詞を吐くが、朔夜が耳に手を当て聞こえない振りをする。
「アハハ…そっか。」
何となくわかった二人の独特の雰囲気。
顔は似てなくとも何となく信頼してあっていることが伝わってきていた。
それは兄弟としても、恋人同士としても。
「藍、もう少し待っててな。」
「あ、ウン。俺は大丈夫だから、浬はちゃんと直してよ。」
浬の服をギュっと握りしめ、額をコツンと合わせると藍が笑顔で答えていた。
―――
今日も天気がイイ。青い空にプカプカ小さな雲が浮かんでいるだけ。
「んじゃ、気ィつけろよ。完璧くっついたわけじゃ無いんだから。」
「ハイハイ。言われなくとも。」
今日、浬はやっと退院が決まり帰宅準備をしていた。
持ち物なんてたいした量ではないが鞄に詰め込む指先が軽い。
何だかんだで若いだけあって治りも早く2週間で退院。折れた骨も肺に刺さったりしていなく大事に至らなかった。
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