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香蘭学園
7
保健室前まで行くと、どっと汗が頬を伝う。
誰に冷たい視線を浴びせ掛けられようが何ももう怖くない。

「あの…!」

「あぁ?早いね。」

藍が勢いよく扉を開くと白衣を着た真壁が静かに椅子に腰掛ける。

「浬…何かありました?」

気になって仕方なかったことを口にだしていた。

「あぁ。昨日あの後、親御さんが来てね…。麻酔切れて起きたよ。」

その言葉にほっと肩を撫で下ろすと、真壁がコトリと眼鏡を外し、淡々と経過報告を告げる。

「まだ検査結果でていないからすぐ退院とはいかないし、肋骨折れてたから暫く安静にしててもらうけど。」

「よかっ…た…。」

先程までの不安が一気に払拭されてると、嬉しさで身体の力が抜けていった。

「よかったね。」

無愛想な真壁が初めて藍に優しく微笑んだ。
この時、やっと一部の生徒から人気な理由がわかるような気がしていた。

「有難うございます。昨日は…、スイマセンでした。」

潤む瞳で真壁に礼を言う。本当はイイ人なんだと改めて感じた。

「まぁ…昔っから南条はココによく来てたし、アイツと付き合ってるって聞いて意地悪してみたかっただけだからそう言われると…。」

照れ臭いのか、真壁がタバコに火を付けるなり苦笑していた。

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