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香蘭学園
30

「そう、お大事にって言伝頼むよ。」

南条浬といえば学園内でも人気なのであらぬ疑いをかけられても困る。

その為、あまり深入りをしたくない相手の一人であるが日狩とはどういうわけか仲がいい。

「あ、南条…」

「何?」

「う…うん、何でもない。」

「あぁ。」

それだけ会話をすると踵を返して浬が自分の席に戻っていった。

彼なら自分の知らない日狩を色々知っているだろう。
でも、聞くのが怖い。言いかけた途中で言葉を濁した。

何故か心の中がモヤモヤして何も手が付かない。

ガツンと言い出せたなたらどんなに気が楽なんだろう。
そんなことが出来るならワケないのだろうが、今の朔夜にはそこまでの事は理性が働いて出来ない。

授業が終わると購買へ向かっていた。

買ったものはスポーツ飲料とレトルトのお粥。

袋一杯に買うと普段ならいつもの仲間と夕飯を取るはずが、その日は脇目も振らず真っすぐ寮へ向かっていた。

ポケットに入っている携帯が光出す。直ぐさま確認するとメールマークが表示されていた。
こんな時メールをしてくるのは限られている。

『御飯どうする?』

案の定、差出人は渡辺からだった。
夕飯時になっても学食へこない朔夜を心配してメールをしたのだろう。

「ゴメン。今日は部屋で食べる。」

今はそれ所ではない。手早く返信を返し送信ボタンを押していた。

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あきゅろす。
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