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香蘭学園
28
キーを開け、朔夜は隠れるように自分の部屋に入る。

さっき自販機で買ったジュースをグラスにあけ一気に飲み干した。

そこまで喉が渇いてたわけでは無いのに、走って火照った身体に冷たい液体は染み込んでいく。

見てはイケないものを見たような気がして気分が悪い。

「…なんだよ。やっぱり誰でもいいんじゃん。」

頭を垂れ、言葉に出すと余計に虚しさが募って来ていた。


ベッドの中で一晩中、一人で考えてしまう。

日狩とは血は繋がっている兄弟といえども今となっては他人だ。
気にしちゃいけない

手の平を強く握ると、朔夜の中で結論が出た。

もう、気にしない。
日狩のことなんて関係ない。そう心に誓っていた。

翌朝、眠い目を擦りいつもと変わらず他人として日狩と接することを決める。

リビングに向かうと部屋着姿の日狩も同じく起き出して来ていた。

日狩は朔夜と目が合うなり、苦笑する。

「スゲー頭痛いんだけど。マジ…頭カチ割られるってこんなんかな?」

怠そうにソファーにもたれ掛かりながら一服しだした。

「…大丈夫?…じゃなさそう?風邪薬トカいる?」

ネクタイを締めながら先ほどまで赤の他人を装うと決めていたのに、目の前の日狩は明らかに顔色が悪い。

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あきゅろす。
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