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香蘭学園
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そんなの言われなくとも、どこかでわかっていた。

日狩はモテるだろうし、やれる相手なら男でも女でも所構わずヘラヘラしているんだろう。

自分だけが特別なわけじゃない。

ただ兄と弟の関係。
今の状況はただの他人だってこと。

まして付き合ってるわけでもないし。

ただ、一回過ちを犯しただけ。

その為の犠牲?

沸々と沸いて来る感情に腹立たしく、それを抑えながら朔夜が苦笑していた。


寮に戻るなり、部屋に備え付けてある冷蔵庫をあけると何も入っていない。

「仕方ないか…。」

階下の自販機に飲み物を調達しに足を運ぶ。

飲み物を抱え、部屋まで戻ろうとする階段の踊場に人影がちらついた。

「あ…。」

そっと物影から覗くと日狩が制服姿のまま誰かと話している。

相手は朔夜の知らない少年、何やら口論をしていた。
栗色の髪、綺麗な顔立ちで学年毎にカラーが変わるネクタイからして年上。

見てはいけないとは思っても、気になってしまう。

『大槻君は先輩と付き合ってるらしい。』

小林が言ってたコトが朔夜の目の前で現実に確定していた。

茫然と目を見開き、息が詰まる。

こんなシチュエーションなんて見たくない。
無かったことにしよい見なかった事にしよう。
そう決心すると走って別の階段を上り部屋に戻っていた。

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あきゅろす。
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