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香蘭学園
24
カーテンの隙間から差し込む朝の光が眩しい。

普段ならば清々しいはずが、どうしてか今日に限っては躯が鉛の様に重く動かない。

朔夜の閉じた瞼がうっすら開くと見慣れた天井が、いつもと少し違う。

「あれ…?」

目を擦りキョロキョロと見回し、深呼吸を一つする。

「ココ、何で…。」

ベッドの上に座ってるティディベアもいない。しかも、さっきから腕がピリピリしている。
朔夜が腕に視線をむけると息を飲んだ。

「…ッ。マジかよ!」

昨晩の日狩との情事を鮮明に思い出し脳裏に焼き付いている。
両手を拘束され、犯されたこと。
折角、弟に再開出来たと思えば、痛くて怖くてそれを与えてくるのが苦手な日狩だった。

悪い夢だと思って信じたかったのに腕にはネクタイで擦れた痣がそれを許さない。


「あ、起きた?」

「テメ…ッ!?」

バスルームから出て来た日狩は真っ白なバスローブを纏い、髪からは水滴を滴らせ極上の笑顔を朔夜に向ける。

「起きたじゃ…っ痛ッ。」

「あぁ無理しないほうがいいんじゃないの?朔チャン。」

朔夜が起き上がろうと床に足をつけると、下肢に激痛が走った。
よろめく朔夜に日狩が手を貸すが振り払われる。

「元はと言えば、お前のせいだろ!」

再び毛布に包まり、身体に走る痛みに耐えるが心臓の鼓動に合わせて痛みは増していく。

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