香蘭学園
17
例えそうであっても、日狩から聞きたくなくて耳を塞いでいた。
「朔チャンはわかっていないだけだよ。」
「何がだよ!…やめっ!」
日狩が鼻で笑いながら朔夜に近づくと、簡単に両腕を片手で一纏めにされていた。
「っ…何のつもりだよ!っざけんな!離せよ。」
「この状況で俺が離すと思う?」
全身の力を振り絞り抵抗はするものの、力の差を見せ付けられ振りほどけない。
それどころか、日狩はスーツのネクタイを外し、片手で器用に朔夜の両腕を拘束していた。
「…悪ふざけかよ?一発殴らせろ!」
「何が?」
ジタバタしても全く外れてくれない。
それどころか擦れてヒリヒリさえする。
「ちょっ…んっぁ…。」
日狩の顔が近づくと視界を遮られ唇を奪われた。
「煩い唇…。少し黙れ。」
押し倒され、ギュッと目を閉じると、日狩が顎を掴み啄む様なキスを何度も繰り返す。
舌が唇を嘗めると、ヌルリと咥内に侵入して来た。
「あ、…ぁ、ヤメ。」
歯列を割り、逃げる朔夜を追い詰める。
その間に、服の裾から日狩の手が入ってきていた。
「んっーぁ…。」
朔夜の胸を指先で刺激され、真っ赤に色づく。
「朔夜…やっと会えたな…。」
唇が離れると、耳元で熱っぽく囁かれ首筋に舌を這わされる感触に身震いした。
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