香蘭学園
14
今でこそ、金髪にピアスだが切れ長の瞳も、雰囲気も見れば見るほどに弟の日狩と大槻日狩が重なり合う。
散らかった写真を急いで片し、ソファーで膝を抱えて座るとショックで何も考えられなかった。
どのくらい経ったのか玄関の鍵が開く音が聞こえた。
この部屋のもう一人の住人、大槻日狩が帰って来た。
胸元が開けたスーツ姿に、女物の香水の匂い。
「…香水クサイ。女遊びかよ?」
「まぁな。童貞君とは違って一人じゃ満足しないんで。」
「…ッ。うるさいよ!」
朔夜の皮肉を皮肉で日狩が返し、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「アハハ、図星?顔真っ赤にしちゃってバレバレだよ。」
煙草に火を付け髪をかき上げる仕種がムカつくくらい様になっている。
「で?朔チャンのお誕生日だっけ。オトモダチゴッコは楽しかったかよ?」
日狩がネクタイを外し、朔夜の座っていたソファ-の横に腰を下ろしてきた。
「いつも思うんだけどオトモダチゴッコって何だよ!」
日狩がよく使っているこの言葉、どうしてこんなことを言うのだろうか?
言葉が吐き出される度、その理由が知りたかった。
「だから言っただろ?上辺だけで、深くない仲ってコト。」
「深いとか深くないって、オマエの物差しで測るなよ!」
日狩がに胸ポケットからタバコを取り出し、新しく火をつけ煙を吐き出しながら嘲笑う。
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