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香蘭学園
12
――朔夜の誕生日当日。

ケーキを食べてしばしの間、四人でたわいもない話しをしながら寛いでいた。

「大槻君に迷惑掛けちゃったかなぁ?」

「朔夜、今度紹介してね。」
小林が朔夜の手をギュッと握ると、真っ直ぐな瞳で見てくるものだから困り果て表面だけの笑顔を返した。

授業が終え、朔夜が帰った時には日狩は部屋に既にいない。

時刻はもうすぐ深夜0時、この時間ともなると、皆一様に帰っていった。

部屋の中はさっきまでの賑やかさから一転静まり返り、窓からの夜風がカーテンを揺らす。

シャワーも浴び、朔夜がリビングに戻り、タオルを肩に掛けるとソファーで寝そべっていた。

明日は日曜日。まだまだ時間はたっぷり有る。

ふと、視界に日狩の部屋のドアが少し開いていたのに気付いた。

「アイツ、いつの間に帰ってきたんだよ…。」

ツカツカその部屋の前に立ち、何気ない興味心で隙間から少し覗いていた。

電気は点いていない。リビングから差し込む明かりでうっすら部屋の中の様子が伺えた。

「あれ…?」

気配が全く無い。
朔夜が思い切ってドアを開くとやっぱりいない。

キョロキョロ辺りを確認しそっと中に入ると、ベッドには脱ぎ散らかした服。

壁には制服がキチンとハンガーに掛かっていた。

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あきゅろす。
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