香蘭学園 8 そんな日狩も、南条浬とだけは仲が良くなていた。 ココ最近は、よく絡んでいるのをよく見かける。 片や、不良とまではいかないが、金髪ピアスで制服も着崩している日狩。 それに対して、黒髪に優良生徒のお手本のような浬。 全くもって正反対。 何故、この二人がつるんでいるかは謎だ。 朔夜が、ボヤボヤ二人が話している姿を見ていると、 Sクラスのドアの向こうで渡辺と小林に斎木が手を振っていた。 「朔夜ッ!」 朔夜が気付き、三人の所へ歩いていくと、渡辺が抱き着く。 「Sクラス来るの緊張するよ〜。僕達、Aクラスだしさ。」 「そうそう、朔夜がいないと寂しいよ。何たってムードメーカーだもん。」 渡辺の後に続いて小林と斎木も朔夜に話し掛けてきた。 Sクラスは学年成績者ばかりの先鋭クラスのせいか、他のクラスと違う階に有る。 その為、他のクラスがSクラスに行くのは気が引けてしまうらしい。 「あのさ、明日、朔夜誕生日じゃん。」 斎木が話を切り出してきた。 「それて僕達ケーキ予約したんだ。」 「そうそう、それでどこでやるかなんだけど…。」 「朔夜の部屋で平気?」 「オッケー。サンキュー、超楽しみにしてるよ…あ…。」 言った瞬間、朔夜が気まずそうに言い直す。 「愛想悪いヤツいるけど…平気かな?」 「大槻君だっけ?」 渡辺が特に気にすることもなく、朔夜の一番苦手な日狩の名前を出していた。 [*前へ][次へ#] |