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香蘭学園
7

「ダリィ…。」


始業式は名前の順に椅子が並べられている。

そのため朔夜の横に生徒の中でも金髪ピアスが目立つ、大槻日狩が文句を垂れていた。

「お堅いお坊ちゃまばっかで何が楽しいんだか…。」

相当つまらないのか、椅子をガタガタゆらし制服を着崩し、やる気のなさそうな態度で欠伸をしている。

日狩だってこの学園にきたんだから金持ちの坊ちゃんだと思うのに。

「…大槻、少しは真面目にしてたら?」

小声で朔夜が言うが、右から左。

聞こえていない模様。


始業式も無事終わり、新しい教室に移動する。
皆、自分の席につくが朔夜の後ろの席、日狩は教室に来ることはなかった。


数日経てば外部生も持ち上がり組も関係なく学年内は賑わっていた。

「榎本君〜。」

中等部時代から同じクラス、特別仲がイイわけではない妹尾(セノオ)が、

「大槻君他の生徒から人気みたいよ〜。南条君には負けるけどネ。」

朔夜に話しかけていた。

滅多にこの学園じゃ見かけることのない金髪の日狩は人気らしい。

本人はわかっているのかわかっていないのか。

寮でも煙草を吸っているか、誰かと電話をしていたり出掛けていたり。

寄ってくる生徒にはさして興味もない様子だ。

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