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香蘭学園
2
遠い遠い記憶の断片。

ピースを繋ぎ合わせるが、これは夢なのか現実なのか区別がつかない。

「朔ちゃん、また明日遊ぼうね。」

幼児独特のボーイソプラノに振り向くと、霞がかった声が聞こえきた。

遠くどこかで。

あれはいつだっけ?

幼い頃で、具体的にいくつの時か覚えていない。

誰?

朔夜が瞬くと、突然にして場面が切り変わった。

「朔夜はお父さんとお母さんどっちにつくかい?」

いつもは優しかった筈の父がいつになく真剣な眼差しで朔夜と呼ばれる幼児に聞いて来る。

「え〜?よくわかんないよ。」

「日狩(ヒカル)はママと一緒がいい。だから朔ちゃんはパパね。」

まだ、幼い子供のときの会話。

意味もわからなかった。

「じゃぁ、パパにする〜。」

無邪気に笑いながら、幼い朔夜が父親につくとニコニコしながら何のことだかわからずに喋る。

あれは、俺?

そうだ、もう十数年前のことだっけ。

日狩は朔夜の弟だった人物。

顔がイマイチ鮮明に思い出せない。

両親が離婚後それ以来会うことはなかった。

いわゆる勝手な大人の事情に振り回されている最中にされた兄弟の会話。

そこでいつもプッツリ途切れ、起きてしまう。

朔夜がよくみる不思議な夢。

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あきゅろす。
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