香蘭学園 28 寮に戻ると着替えるひまも与えられることなく、後ろから浬に抱きすくめられる。 「……藍…。」 「かい…り…?」 心臓が高鳴り、みるみる浬の色めいた声に反応を見せた。 「あ、汗…かいてるから…シャワー……。」 「そんなん後でいい。今すぐ……。」 熱っぽい声は今の気温よりもっと熱い。 汗で張り付くシャツをたくしあげられ、素肌を這う浬の骨張った指先はヒンヤリしている。 首筋からうなじへ、熱い吐息を孕んだ唇が落とされると一気に藍を上昇させていた。 「で…でもッ。」 「昨日は淕に藍を独り占めにされてたし、…さっきだって……。」 拗ねたような口調の浬は淕に嫉妬していたようだ。 その嫉妬の対象が淕であることが何だか可笑しい。 マンションでは寝るときもバスルームを借りた時も始終淕が藍に付き纏っていた為、折角記憶を取り戻したのに浬の出番はあまりにも少なかった。 こうして誰にも邪魔されずに二人きりになれるのは寮以外ない。 「ちょ……待って…。」 言いかけた所で身を翻され扉を背にして唇を塞がれる。口内を蹂躙され、舌を絡め煽るような深い口づけは強引に四肢の自由を奪っていく。 「……触って。」 「!!」 導かれた場所は既にジーパンを押し上げ、堅く猛って布越しでもわかるくらいに熱い。 [*前へ][次へ#] |