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香蘭学園
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ガルルル――。

「どうした?一人でいるなんて珍しいじゃん。」

日狩が物珍しそうに覗き込んだ。

「……たまにはバイクもメンテナンスしないとオイルが上がるからね。」

校舎裏にある駐車場は来賓や送迎でくるお抱え運転手専用。その一角にある駐輪場に浬のバイクは隠す様に止まっていた。

アクセルを開き空吹かしさせるのは日頃乗ることが少ない為、オイルを循環させると言った目的だ。学校側は黙認という形でバイクに乗る生徒は多々いるが、校舎内で乗ることは許されてはいない。

「へぇ…、俺、原付きしか乗れねぇや。中免取ろっかな。」

「……勝手に取れば?」

「…あぁ。」

浬にそっけない返事を返され、つまらなさそうに日狩が苦笑した。

「……ちょっと出掛けてくる。外泊届け宜しく。」

グローブをはめ、地図を確認してバイクに跨がる。
フルフェイスをかぶると再びアクセルをあける。水温、油温、油圧、全て準備は整った。コンディションも悪くない。

「あ、…あぁ?…おい!」

日狩の慌てる様子に見向きもせず浬はギアをチェンジさせ颯爽と風のように去っていった。

「…なんだよ。」

タバコに火をつけ、坂を下る浬の後ろ姿を見送る。
さっきもう一つヘルメットを用意していたのを思い出した。日狩はやれやれと言葉数の少ない親友の行動に思わず目を細めていた。

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あきゅろす。
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