香蘭学園 30 「あはっ…ぁぁッ…。」 淫らな液体が棒の隙間から流れ出す。胎内、内側から焼け付くような熱さと振動が責め立てる。 腕はもう麻痺して痛みは感じない。かろうじてついているだけならば邪魔だ。 羽音、記録する電子音、耳につく自分が発声する嬌声にはもう慣れた。 藍に残っているのは僅かな理性。それもいつ途切れてしまうかわからないもので必死に抑える。 喉かカラカラに乾き、ひりつく痛みに上擦る声も掠れいた。 「…い……?」 その時、遠くのような近いような――聴覚は視覚をなくされた分普段聞き取れない音をも拾う。いつも、毎日きいているあの声。それは浬の声に間違いないと本能が働いた。 「あっ、…んはぁッ…、かい…りッ…アッ…。」 喉を震わせ嬌声まじりに振り絞る。 「あ…い……ッ―――。」 微かに聞こえた藍の声に浬が気付き、名を呼んだ。 ギィィと扉を浬が開く。 「…………。」 「見ないで…。お願い…。」 そこには錆びたポールに括りつけられ、乾いて茶色に変色した紐が藍の両手に食い込み、綺麗な肢体が投げ出され怪しく光る。 見られたくないのに助けてほしい矛盾な気持ちでいっぱいだ。 「藍……、」 「ウ……ぅ……。」 視界を遮っていた布が解かれると、目の前には浬の顔があった。 [*前へ][次へ#] |