香蘭学園
16
「気をつけろよ…藍。何かあったら絶対俺に電話しろすぐ駆け付ける。」
「浬……??大丈夫だよ。利華もいるし。今日はどうしたの?いつにも増して…。」
「浬サン、心配しすぎ。僕も藍ちゃん見張っとくから。」
「いや、雨宮。…藍のこと、頼んだぞ。」
Aクラス前、朝から浬がやけに心配していることに対し、藍が不思議そうに見上げていた。その脇には利華が過保護気味な浬を宥める。
浬が滅多に頭を下げる機会はないが、利華だけにはクラスの違う藍の事を頼むと頭を下げて念には念を押して送り届けていた。
――――
「あと少しなんだけどなぁ…。」
ガリガリとシャーペンを手にしたまま金髪の髪を掻きあげるのは日狩で、その脇には同じく朔夜。
「南条、おはよ。」
「まだやってんの?」
「日狩がもう少しで解けそうなんだって。てか、…南条、サイトの掲示板に書き込みあったの見た?決行って何?何のこと?」
座ったまま朔夜が浬を見上げ、不思議そうに聞いてくる。
「あぁ、見たよ。…決行…、それはわからない。とりあえず藍はクラスまで届けてきた。」
困ったように朔夜の横に座り、目の前で数字と格闘する日狩の手元を見つめた。
「で、大槻は答えが出たのかよ?」
「あ゛ぁ?みりゃわかんだろ。…でもヒントから何となくわかってきたぜ。」
「へぇ、どんな?」
「まぁ…オマエの誕生日が8月5日だから最初は85で間違いない。」
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