香蘭学園
8
押し進められ、徐々に繋がりが深くなっていく。
「か…いり…、好き。」
足を高く持ち上げられ息苦しいのと重みが愛おしい。
好きな人とのセックスは充足感を満たし、恥ずかしい格好だろうが何だろうがかなぐり捨てられる。
ズクズクする下肢を浬の腹筋に押し付け最奥までの道を誘導していた。
「俺も好きだよ、…藍。」
「…んッ。」
浬以外を知った日からもう何日経っただろうか。
もう、それは忘れかけていたはずなのにふとした瞬間に思い出させる記憶は拭い切れていない。
好き、とお互い確認することでその時の恐怖を緩和させていた。
「動くよ…。」
伸びた脚に唇が落とされ、挿入の角度がまた一段と深くなる。ギュウギュウ締め付け浅く息をしながら律動に身を任せた。
「あ、ぁ……、ぁッ。」
契合した場所は隙間なく埋めつくし、浅くなっては深くなる。桜色に染まる全身で全部を求めてやまない。
優しい所も、体も浬を独占しているこの行為は他の誰かでは獲られない何かがあるはずだ。
「あ…っ、あっ、浬ッ…やッ…い、イクッ。いっちゃう。」
それまで我慢していた体が限界を伝え、律動の激しさが増し貪欲にひたすら浬の与えてくれるものを享受していた。
「あっ――――イク、イ…ッ!」
ピッタリ腰を押し付け、腕を肩に回し縋り付く。全身が震え体の奥で浬が弾けるのを感じると蟠っていた熱を解放していた。
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