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香蘭学園
36

息が上がったままでズルリと抜け今まで白濁した液体がコンクリートに染みを作る。液溜まりに何度も吐き出した精が重みを増して不格好にぶら下がっているのを外した。

「んっ……。」

器用にそれを日狩が処理すると朔夜は足腰がガクガクに震え、ズルズルと金網に頬を押し付けた。

うなじに軽く唇を寄せ、自分にもたれ掛からせるように金網から朔夜の強張った手を外す。


「君…達…、そこで何をしている!?」

「誰アンタ?」

カツンカツン――。近くで二人以外の人の気配が近づくのも気づかず、まどろんでいると、ゆっくり足音が二人の真後ろで止まった。

日狩がサッと朔夜のめくれたスカートを戻し、何もなかったかのように振り返る。

「日…んッ……か…るッ?」

朔夜もそれに気づきまだ気怠い夢うつつの中、日狩の名を呼んだ。

「僕は風紀委員の吉原だ。大槻日狩、君の素行は厳重注意に当たる。」

「は?」

「…何、…あっ…。」

ダラダラ流れ出す感触に身震いした朔夜がやっとこの状況を把握し、両手で顔を隠した。

蒸気した目元、コンクリートに流れるあから様な情事の痕跡。言い訳なんて出来ない。

冷や汗が一瞬にして噴き出た。

「他校の生徒にそういったことをするのは我が校の恥曝し。」

「あんたら達の中で俺って有名なの?」

ツラツラ朔夜の醜態をチラリと横目で見ただけで視線は日狩に移る。

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