香蘭学園
27
熱い。見られてるのに、いやなのに拒絶出来ない。
そればかりか羞恥によりいつもより感度が増していく。
「ん…あ…っ、っと…。っ…。」
つい我を忘れてねだってしまったことに耳を疑う。
「…とりあえず、一発やらせて。もう…爆発寸前。我慢できねーの。」
耳の中にねっとり舌が差し込まれ、日狩が熱の篭った吐息を吹き掛ける。
ジリッ。
「……嘘だ…。」
椎名が後退りながらよろめく。いい雰囲気だったのは自分だったはずが見事に砕け散った。
「嘘じゃねぇよ。朔夜は…俺のモン。次に何かしたら、そん時は…ぶっ殺す!」
日狩の親指が喉元で一文字を切り舌を出し、唇をゆっくり舐め挑発した。
「バカ、何…いってんだよっ!椎名サン違いますッ!…ってかいつから俺が日狩のモンになったんだッ!!」
慌てふためきながら日狩の台詞を訂正する。困惑に満ちた瞳は熱を帯びて艶っぽい。
違うなんていわれても説得力は皆無だ。
ワイシャツの裾でガシガシ日狩の感触を消そうにも消えない。
ヒリヒリする唇を噛み締めると朔夜は部屋を飛び出していた。
「おいッ…!?」
風に靡くスカートを押さえ、人混みを摺り抜けひたすら走る。
この際、今の格好のことなど気にしてはいられない。
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