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香蘭学園
26
日狩は椎名を見遣り、朔夜に視線を移すとキッと睨みつけていた。

「帰るぞ、こんなところで油売ってやがって…。」

「イタッ…。」

腕を引っ張られる痛みに顔をしかめると椎名が仲裁に入る。

「朔夜君嫌がってる。いきなり来てそれは…。」

「うるさい。部外者は大人しく黙ってろ!」

「……。」

これには椎名も出鼻をくじかれ、ムッとした感情を表にだす。

「何だそのカッコは?」

「え、あ……。」

いけやしゃぁしゃあまくし立てられ、言い訳しようにもそれを許さない。

「とにかく、コイツは…返してもらうぜ?」

「日狩!」

やっぱり息が荒い。
微妙な変化も毎日いるからこそ気づく。
何かおかしいと感じつつも叱咤すると日狩の腕がビクリと震えていた。

「君は…、何なんだ?いきなり現れて。何様なんだ!?」

目で助けを求める朔夜に椎名も黙ってはいられない。
折角いいところで邪魔をされてしまったことへの不満、ここで掠め取られてしまっては納得いかず日狩に詰め寄った。

「ん…っ…ふっ。」

椎名が手を掛けようとした瞬間、噛み付くように荒々しく日狩の唇に塞がれる。
何も考えられなくなるような、頭の中から腰、足まで突き抜けショートしてしまうような巧みなキスに椎名が見ているにも関わらず翻弄されていた。

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あきゅろす。
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