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香蘭学園
24


「くそっ!…女だからってその辺の軟弱野郎と一緒にすんなよ?」

冷酷そうに見据える日狩は言葉通り容赦無い。
胸倉を掴み、視線を同じ位置まで持ってこさせる。

「……日…狩くん…。」

苦しそうに何かいいた気な彼女の瞳さえ虫酸走るほど腹の底から殺意が沸いていた。

「見苦しいんだよ。ブース!もっと見られないくらいのブスにして…やるよ。」

媚薬が効いているにも関わらずそれ以上に怒りが勝る。

「オイタが過ぎたな小悪魔チャン……。」

荒い息を抑え、日狩が拳を振り上げ手を挙げようとした。

バサバサバサ―――

何かが視界に飛び込む。

ヒラヒラ舞う薄っぺらい布切れ、それに続き重い衣類が窓の外、宙をまっていてドサリと落ちた。

「朔夜!」

「キャッ……!」

日狩の腕の力が抜け床にたたき付けられると必死の形相で逃げだすのも気に留めず、窓のサッシに手を掛け日狩が本能的に朔夜の名を叫んだ。

「くっ…。」

身体が熱い。
今にも弾けそうなほどに熱をもったそこは主張しようと首をもたげ始めていた。

胸ポケにさしてあるボールペンを鷲掴みにするとザクリと太股に刺し、平常心を呼び戻す。

「っ…俺が行くまで無事でいろよ…!」

痛みに眉を寄せ立ち上がると、太股を庇いながらゆっくりと壁伝いに身をよりかかせながら朔夜のいるであろう場所まで向かっていた。

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あきゅろす。
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