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香蘭学園
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嫌味なほど長身で威圧的な態度で見下ろしてくる。それは同じクラスの南条浬のものだった。

「…榎本?何やってるんだ?」

右腕には浬の後ろに隠れるように恋人である望田藍が顔を覗かせ軽く会釈する。

「朔夜君のお友達?…あぁ、2年の首席のコだよね。もてるって有名だから何となくはしっているよ。」

浬の名前と顔はほぼ全校生徒の間で知れ渡っている為、3年の椎名も面識がなくとも知っていた。

「…どうも。大槻が探してたよ。」

「え、日狩が?」

椎名の台詞を気にかけることもなく流し、表情一つ変えず言伝だけを伝える。
朔夜は隣に座る椎名と目の前にいる浬を交互に顔色を伺うが、日狩のことが気掛かりで仕方ない。

「朔夜君は今は僕とデート中なの、君もそうでしょ?」

椎名の視線は浬の後ろにいる藍に注がれる。
柔らかい口調に反して棘のある含みを漏らす。

「…ふッ、まあいいけどあの節操無しな大槻だから見張ってないと取り替えしつかないことになるかもよ。第一今の状況がアイツにバレたらマズイんじゃない?」

氷の笑顔で切り替えすと藍の腕を引いて人混みの中へ消えていった。

「……。」

「……。」

浬達がいなくなるとお互い沈黙が流れる。早く椎名と別れて日狩の元へ行きたくとも今のこの状況で行けるはずもない。

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あきゅろす。
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