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香蘭学園
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同時にグッと腕を捕まれた。

「君を…榎本君を僕が指名していいんだよね?たしか、同伴も可だったよね?」

「あ…っ。」

見た目に似合わず力強い引きに背筋に汗が流れる。ザワついてる教室内にいる日狩に視線を送ってはみても群がる女性陣が邪魔してて見えない。
垣間見えてもチヤホヤと持て囃され、何だかんだ楽しそうに話している。

中には振り向き様に日狩に熱い視線を送り、抱き着き頬を赤らめるもの。

ムカツク。
正直な感想を堪え、深く息を吸うと何事もないように椎名に了解の頷きを返していた。


「朔夜君、君が行きたいところ食べたい物があったら奢るから遠慮しないでいって。」

「あ、…はい。」

スーツ姿の朔夜と香蘭学園の制服を着た椎名。いつの間にか名前で呼ばれているのも気に留めることもなく、どちらがエスコートされている身なのかよくよく考えれば反対なような気がしないでもないような気がしていた。

朔夜の中で疑問附が何度も点滅するがそれよりも回りの一般生徒や外来の女子高生からの視線が痛い。

彼等や彼女等は好奇の視線を送っているのは確かだ。

暫く校舎内を見て回り、歩き疲れた所で中庭にあるベンチに二人で座っていると、驚いたように聞き覚えのある声呼び止められた。

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