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香蘭学園
8
別にそのポジションはいらないというより元より望んだ物ではない。

日狩と浬、この二人は目立ちすぎて平穏な学園生活を送りたくともその居場所を探すのに困る。

「大槻、もうすぐ文化祭なのは知ってるよな?」

朔夜が苦笑いしていると浬がその場の空気を裂くように日狩に話しかけた。

「あぁ、知ってるけど…そういったの面倒なんだよなぁ…。」

「出席すれば単位出るから出といて損はないと思うが?」

「マジ?」

万年遅刻の日狩にしたら出席するだけで単位が取れるということはかなりポイントが高い。
興味がなくとも目の前にぶら下がる餌に瞳が輝いている。

「喫茶店…というよりかは厳密に言えば俺達はフットマンだが…、なんならウサギの格好したベルボーイでも可。」

「なんだそりゃ?」

「まぁ、今流行りの執事喫茶といったホストみたいなもんだ。指名もあるらしい。勿論、アルコールは出ない。」

ガタン――

内容までは把握していなかった朔夜は思わず我に返りアハハとおどけて見せた。

「ふーん、じゃあ朔夜がサクラでもして俺指名してよ?」

「え…ぁ?」

「榎本も同クラスだろうが…。」

困り果てる朔夜に浬が救いの手を差し延べる。

「…チッ。」

ぶすっと頬を膨らまし不機嫌この上ない態度に朔夜と浬が苦笑していた。

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あきゅろす。
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