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香蘭学園
7
彼の手作りなのか、綺麗に詰められた弁当を日狩が目を細めせせら笑う。

「…いらない。腹壊したらどうしてくれるの?」

口元は笑っているのに目は冷たく突き刺さるほどに凍てついている。

「おいッ…。」

「日狩ッ!」

浬と朔夜が気まずそうに声をかけるが日狩は悪びれる様子もなく続けた。

「可愛いね、美味しそうだね…とでも言ってほしかった?俺の腹デリケートなんだよなぁ。」

「あ…あ…。」

今にも泣き出しそうに差し出した弁当を下げ俯く。

日狩は誰に媚びることもない。我が道を行く。認めた相手以外は受け付けようとしない為朔夜は内心冷や冷やしていた。


「パン発見ッ。」

「馬鹿、これは俺の喰いかけ!横取りすんなッ。」


目敏く見つけた日狩が朔夜の机に入っていたパンを横取りすると悪ガキが好きなコを虐めるかの如く取り上げる。
取り返そうとしても身長差によっていくらジャンプしようと届かない。

それを羨む輩の視線が突き刺さる。
朔夜にとって羨むことでなくとも日狩を好いている彼等にとってはそのポジションは憧れの的でもあった。

「アハハ、ご馳走様。」

ペロリと平らげ唇をなまめかしい程に嘗める。
たかがパン一つ食べるにしてもウットリ見取れるものの視線は日狩の口元に釘付けだ。

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あきゅろす。
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