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香蘭学園
6
好きは好きなのだが、否定しないと日狩が自惚れる姿が目に見えているのは悔しい。

「い…ないですけど、男に興味ないんで…悪いけど。」

「そ…か、でも良かったら文化祭、一緒に回らない?高校生活最後だし。変な意味じゃなく思い出としてさ。」

「は…ぁ。」

朔夜が曖昧な返事を返すと嬉しそうに椎名の表情が輝いていた。

「じゃ、楽しみにしているから。」

颯爽とさっていく後ろ姿は求婚を申し込んだ後のどこぞの王子様さながらだ。
朔夜は、ぼけっと立ち尽くし、始業のチャイムがなるまで食べかけのパンを持ったままその場で静止していた。

「俺のメシ〜。」

3限に入りやっと日狩が授業に出てきた。
ネクタイを首に引っ掛け、ボタンは数個開けっ放しのだらし無い姿。相変わらず長めの金髪を後ろで結っていかにも授業に挑む態度は全く見せていない。
こんな格好でもお咎めなしなのはクラスの中でもトップであるSクラスの特権だったりする。

「榎本、これどうにかしろ…。」

「…ハハハ。」

浬の助けを求める視線に乾いた笑いが漏れる。
3限は化学の授業だったが担当教師が不在の為、課題プリントが終わればあとは自習という名の自由時間。

「大槻君…よかったら…。」

クラスの中でも可愛くていかにも護ってあげたくなるような生徒が弁当を日狩に差し出す。

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あきゅろす。
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