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香蘭学園
2
それを知っているのはごく一部の人間しかおらず、知り渡ることに畏怖の念を抱く。

周りから見ればあまり仲は良くないように見えてはいても学園内とプライベートは違う。

友達ともただの兄弟とももっと深い。

ピリリと破いて棄ててしまえばいいものの捨てられないでいるのはこの関係に終止符を打ちたいとまではいかないが、元に戻れるならという感情にまだ左右されているからだ。


「朔ーチャン、君ィ…何か俺に隠し事してない?」

「…してないッ。離せッ!」

ふんわり湯気を立たせ腰に手が回る。
振り向くと耳に這う舌のぬめった感触と熱っぽい息遣い。

首筋にカプリと歯型を残す。

「たまには構ってくれないと、俺、暴走しちゃうよ…。」

「んぁ…、やめッ。十分構ってんだろうが…。」

プチプチゆっくり釦を外す手を引き離し、突き放す。

日狩は怪訝そうに目を細めるとペロリと唇を舐めた。

「抵抗されると余計燃えるんですけど?そういったプレイが好き?」

部屋の角に朔夜を追い詰めると意地悪そうにケタケタ見下ろす。

「今日は覚悟して十分補給させてね。」

語尾にハートマークが付きそうな物言いに朔夜の背筋に震えが走るが時は既に遅し。

この後、朔夜は日狩のいいように散々喘ぐ羽目になってしまっていた。

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