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香蘭学園
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寮での生活。
テレビに夢中の日狩にひとつ朔夜がため息をついた。

「アハハ…なぁ、朔夜の好きなお笑い番組みねぇの?」

ソファーに片膝をつき笑い転げる日狩を尻目に険しい表情を浮かべる。
それを気づくはずもなく日狩は普段通り過ごしていた。

朔夜の手には一枚の封筒。
最近靴箱の中にこの類の手紙が増えてきている。

名前もクラスも知らない相手からの一方的な恋文。
日に日に貯まっていく一方で棄てていいのか悪いのか。鞄の中で眠らせたまま現実逃避を繰り返す。

勿論、日狩には言えずに黙っている。
このことが日狩に知れれば何を仕出かすかわからない。

「はぁ…。」

気分は重くのしかかる。
この学校が共学で、手紙の主が女の子であれば好みはともかく嬉しいものの私立香蘭学園は男子校だ。

女子といった物に全くといって縁がない。

それは所謂この手紙の差出人が男だということであまり嬉しいものではなかった。

「朔夜?なにやって…。」

「何でもない!」

「あっそう?…まぁいいや。終わったから風呂入るんだけど。」

背後に気配を感じ慌てて鞄を閉める。
何もまだ気づいていない日狩の視界に入らないようにそれを隠した。

公表はしていないものの朔夜と日狩は兄と弟であり、身体の関係もあったりする。

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あきゅろす。
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