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香蘭学園
12
ミリッ――

期待していない絢斗との行為。あてがわれ、侵入を試みる痛みに眉間に皺を寄せて堪える。

「ホラ、俺の方がイイでしょ。」

「あ゛…ぁっ…。イヤだ!」

「…まだカレのこと考えてるの?カレが知ったら…捨てられるんじゃない?」

藍は絢斗のその言葉に息を飲んだ。浬が知ったら、幻滅するだろうか。知られたくない一心で最後の抵抗を試みる。

「いやだ…浬、浬助けて!!」

「カレの名前?…大丈夫、俺が面倒見てあげるし、望田のコト悲しませたりしないし、そいつより大事にしてあげるから。」

なんの根拠もないことをつらつらと重ね、腰を進めて行く。
今の絢斗は既成事実を作る為にエゴを貫き通して藍を犯しているのでしかない。

悪夢のような時間は一生にしたらほんの短時間、だけれども長く感じた。


「はぁ…はぁ…。」

どれだけ助けを呼んでも助けはこない。今、目の前にいるのは絢斗ではなく、狼と化した一人の男だった。

藍の手の平には爪が食い込んだ跡、むせ返る汗と精液の臭い。床に飛び散る白濁した液体は何があったのかいやがおうでも脳裏に焼き付けた。

終焉を迎えた頃、内側で弾ける感触に身震いする。

何もかも終わったと諦めの表情の藍は力無く床に吸い込まれていった。

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