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香蘭学園
10

ふっ、と耳に絢斗の吐息がかかる。

「俺じゃダメ?」

「ん…ぁ…。」

耳を舐められながら囁かれると体に力が入らなく抵抗できない。

浬に嫌というほど教え込まれてしまったから。

嫌だ、怖い、そうは思ってはいても体は正直に反応してしまう。

「もう一度言う、好きだ。」

「…嫌だ…。」

「そう、それが答えなんだね…。」

絢斗の髪の毛が素肌に触れ、少し怒っているのか震えていた。

「あっ……。」

首筋を唇が這い、チリッと痛みが走る。

「ちょっと絢斗…ふざけんなよ。」

「ふざけてない!いつかは振り向いてくれると思って待っていたのに他で男作ってたお前が悪い!」

「し、知らないよ……離せ。離してよ!」

いくら必死に抵抗しても絢斗には力が及ばない。

絢斗の手がするするとシャツの隙間から地肌を這ってくる感触に鳥肌が立つ。

浬以外の誰かに触られるのは至極気持ち悪い。

同じ男ならなおさら、熱気の篭った部屋なのにも関わらず、冷や汗がどっと出てきた。

「…だ、ダメっ、」

何をしようとしているのかなんてわかっている。
最後の一線を超えてしまったら友達になんてもう戻れない。

胸の突起を執拗に指で弄られ舌で舐められると心では嫌だと思いながらも体はもう達してしまいそうになるくらいまでの快感が襲ってくる。

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