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香蘭学園
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長く伸びる影が二つ映し出される。

「じゃ、荷物おいたらこいよ。待ってるから。」

「あ、わかった。」

相変わらず世話焼きな絢斗は藍の家の前まで送ってくれていた。



「今、学校どこ行ってんだよ?いきなり転校とかいなくなっちゃってさ。」

「あはは…別になんでもないよ。今は香蘭学園ってとこに編入したんだ…。男子校だけどね。」

食後の後は昔話に花が咲く。気兼ねなくお互い話合える絢斗の家は落ち着き、近況報告の話になっていた。

「そういや、彼女とはうまくいってる?」

藍が絢斗と同じ高校に通っていた時、隣のクラスに可愛い彼女がいたことを思い出し、話をすり替える。

「あー、それ、別れた。」

悪いことを聞いてしまったと藍が申し訳なさそうにするが、絢斗はというと全く気にしていない。

「本当変なこと聞いてゴメン。」

「いや、別に面倒だったし、謝る必要なんて無いさ。」

「それならいいんだけどさ。」

「で…、そっちは?」

突然自分に振られたことに藍は飲みかけのミルクテイーを吹き出しそうになっていた。
男女共学ならいざ知らず、男子校。しかも寮制なので<いる>、と言えば当然相手は男だとバレてしまう。

実際には浬と付き合ってはいるが、世間一般的には受け入れてもらえ無いことの方が多いのは重々承知の上だ。

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