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香蘭学園
19

朝が明け、普段と変わらず制服を着て朝食をとるが、藍は何も喋らない。

学校に行けば少しはマシになるだろう。浬がそう思っていた矢先、事件が起こっていた。


2-S
授業も終わり、浬が帰り支度を始める頃。

「なぁ、南条、お前に客だってよ?」

同じクラスの大槻日狩(オオツキ・ヒカル)がいつもと変わらず面倒くさげに欠伸をしつつ話し掛けてきていた。

「…サンキュ。珍しいな、誰?」

日狩は親指で教室の扉を指差す。
クラスメイトの殆どは浬に気があるような輩はいないと追い払う暗黙の了解がある。
それを知ってか浬が教室の扉を一瞥すると、自然と表情が堅くなった。

「浬サン、突然スイマセン。」

「…あ、藍のクラスの…。」

そこには、顔面蒼白の利華と彰がいたが浬は名前を思い出せない。

「雨宮です。あの…。」

「単刀直入に聞きますが、望田、…藍、知りませんか?」

気が動転して上手く言葉に出来ない利華に代わりに彰が用件を伝える。

「藍ちゃん、朝から来てなくて、電話しても出なくて…。」

「俺は寮、見て来たけどいなかったんで、浬さんなら知ってるかと思ったんだけど。」

利華を庇う様に、彰が付け足す。

浬の頭の中に、何故か昨夜の藍が浮んだ。

『…多分。』

それが意味することは、何だろうか。
今更になって考え出すと、危険を知らせるシグナルが目まぐるしく点滅する。

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あきゅろす。
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