香蘭学園
13
正直言ってかなり面倒臭い。
「南条浬ってヒト…。知ってる?」
仕方無しに浬の名前を口に出すと、周りで騒いでいた生徒達が急に聞き耳をたてていた。
「浬サンって、あのSクラスの?って一人しか居ないケド…。」
「あの人、学年首位だから一人部屋だったし…そうじゃない?」
彰が利華と顔を見合わせ、二人して藍の顔をじっと見つめてくる。
藍は、何かマズイことを口走ってしまったのかと口をつぐんだ。
「藍ちゃん、凄いじゃん!」
「スゲー、どんな人なの?俺、喋ったこと無いから気になる。」
二人とも目を合わせると目が爛々と輝き、握手を求められる。
『南条浬』
2-S、ここの学園の王子様的存在だが、余り人と関わりを持たなくて有名らしい。
家はNグループと言う大きな組織で浬はその会社の御曹司に当たる。
常に学年首位の成績でルックスもよく、運動神経抜群。
否の付け所が無い。
何度となく学園内の生徒が告白しても振るばかりで、付き合うことはないトカ。
定かではないが、凄い人であることには間違いない。
「へぇ、凄い奴だったんだ。」
知らなかったとは言え、ここまで凄いとグウの音も出ない。
だが全く持って感心が起ころうともしなかった。
「待って、ココ男子校なワケで告白ッて!?」
勢いよく藍が立ち上がると、利華は驚いたように目を丸くしていた。
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