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香蘭学園
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東京都下にその学園はある。

回りには緑が生い茂り、都心の殺伐とした空気とは程遠い。

藍は最低必需品のみ、少しばかりの手荷物をもって学園の前に着くと、その景色に圧倒された。

「うわ…。」

感嘆の声を思わず口にだしてまう。

流石、財界のお坊ちゃまが集うというだけ合って作りが違い、重厚な作りの門扉から一歩学園に踏み入れると白い敷石が敷き詰められ、中央には噴水から吹き出す水がキラキラと初夏の太陽に反射していた。

これから始まる新しい生活に期待で胸が弾む。今までの生活に終止符を打ち、何もかも忘れたかった。

急いで理事長室へ向かう。
今日はGW連休の最終日の為、生徒は疎らにしかいない。


同封されていた地図を元にテクテクと歩く。


藍の概念にある校舎とは、かなり掛け離れた建物の奥へ足を運んでいた。

理事長室前、扉を開けるとまだ若い紳士が笑顔で迎えてくれた。

「よく来てくれたね。」

「あ、お誘いしていただき有難うございます。」

「堅苦しくしなくて構わないよ。」

皮張りのソファーに座るように促される。

「コレ、君のIDカード。」

寮の部屋のキーを兼ねたカードを手渡され、大体の学園内の説明を始めていた。

この学園は全てIDカードで管理されている。

寮は基本的に2人1部屋でIDカードは食堂や施設に入るときに必要になるとのことだ。

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あきゅろす。
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