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香蘭学園
16
それから、日狩は手当たり次第に探し調べ尽くし始めていた。

少しでも可能性があるなら、手繰り寄せたい。

見覚えのある景色を頼りに、学校から帰ると毎日のように自転車で探し回った。

一件の洋風な家屋。
鉄柵が錆び付き、雑草が生い茂る。全体的に老朽化がすすみ、荒れ果てていて誰か住んでるとも思えない。


「…あった。」

やっと見つけた。
後日、施設から届いた写真の中に写っていた家。

それと同じモノが目の前にある。日狩は高鳴る胸の鼓動を抑え、インターフォンを押していた。



「……。」

鳴るのに、何度押しても人の気配すら感じられない。
静寂だけが辺りを包む。また振出に戻った。



3年後――

「日狩、女の子から電話!」

「あぁ…。」

どこか頭の中で煮え切らない部分もあるが、普通に中学校に通い、彼女らしき女の子とも何人かと交際をしていた。

派手な金髪に耳に開けたピアス。今までのことは全て過去に葬る。

リセット。

それは過去への決別でもあり、再スタート地点でもあった。

何もかもが全て無かったことに、本当の両親でさえいなかったことにする。

「日狩、アンタ成績いいのは嬉しいけどそろそろ進路きめてよ。」

「ハイハイ…。」

いっそのことその方が色々と都合がいい。

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あきゅろす。
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