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香蘭学園
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20畳程の広めの室内には、疎らに同じような境遇の子供達。

悲観してるわけじゃない。新しい親が現れるのを皆、ここで待っているのだ。

その中でも日狩に関しては話がトントン拍子に纏まっていった。

「今日から日狩君が大槻日狩君になりまーす。」

パチパチパチ
やる気のない拍手に送り出される。ここの子供達にとっては他人の幸せなどどうでもよいこと。

この日から日狩は大槻日狩として新しい人生を歩きはじめた。



「よろしく。ママなんて呼ぶ必要ないし、好きに呼んでいいよ。」

「はぁ…。」

新しい両親は裕福層の家庭。養父は某大型出版社の社長、養母は日本舞踊の師範兼お茶の師範をしている。

恰幅のイイ豪快な新しい母は大層日狩のことが気に入っり握手を求めた。

「ハイ、ここが新しい部屋。適当に配置してあるし、好きに使っていいから。」

真新しい部屋は、子供部屋しにては広すぎて、どんな趣味をしているのかぬいぐるみが陳列してある。

「あ…アハハ。」

乾いた笑いが止まらない。裕福からどん底、堕ちて堕ちて行き着いた場所は振出に戻っていた。

「気に入った?」

気に入るも何も文句を言える立場ではない。一つ頷く。

「本当はね、女の子が良かったんだけど、インスピレーション?」

「…へぇ…。」

とにかく自分の置かれた状況はラッキーなことには変わりない。

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あきゅろす。
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