香蘭学園 21 いくら日が延びたからと言ってももう外は真っ暗。 ソファーでうたた寝していた朔夜が目を覚ました。 「ヤベ、寝ちゃった…。日狩遅いな…。」 消灯まであと2時間。 このまま時間だけが過ぎても仕方が無いので風呂でも入ろうと、脱衣所で服を脱いだ。 時間が経つにつれて、胸の高鳴りは比例していく。 そんな気持ちを隠すように頭から冷水を被った。 「ツメテ…て、当たり前か。」 ガチャ―― 「ただいま〜、朔夜?朔チャン?」 日狩の声がシャワーの音で掻き消され朔夜には聞こえていない。 「ヤバイヤバイ…どーしよッ。」 低めの温度設定にしているのに、顔だけは熱をもつ。 「朔チャン…お風呂?」 「日狩…ッ!?」 背後から声がして慌てて振り向く。 「あ、…俺も入ってイイ?」 日狩は断る前から着ていた衣類を脱ぎだした。 絞まった身体に日に焼けた肌、キラキラ光る髪め造形されたように色気を放つ。 「……狭いから、出る。」 消して目を合わせない。 「ちょっッ、待てよ。」 日狩に腕を掴まれた。 背後に日狩の気配。日狩の心音が聞こえる。 「朔…夜。今夜、抱くから。」 そっと優しく、跳び跳ねそうな身体を包み込む。 低く、染み渡る声に否定なんか出来るはずもない。促されるまま、静かに目をつぶり頷いていた。 [*前へ][次へ#] |