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香蘭学園
13
笑い声が止まると、カーテン越しに人の気配を感じる。

朔夜は冷静を取り繕うと必死に痛む左胸を押さえていた。

目を閉じ、意識をしないように気を反らす。

「朔…夜。寝てるの?」

カーテンを開く音と一緒に日狩の声が聞こえた。
頬に触れる日狩の手が朔夜を余計に切なくさせる。

「おい、榎本起きてんだろ?寝るならもう時間だ、部屋で寝ろ。」

狸寝入りを決め込もうと思ったのにも関わらず、真壁の威圧的な物言いに朔夜は大人しく起き上がった。

「……。」

「朔…夜。よかった。」

顔色も幾分良くなった朔夜を見て日狩が安堵の表情を浮かべる。

「真壁チャン、診てくれてサンキュ。」

日狩は振り返り、真壁に礼を言う。

「ウッサイ、大槻!先生をつけろ!あ、南条、テメーもだ!」
真壁がついでと言わんばかりに浬を睨み付けた。

「あぁ、真壁チャン。」

「…オイ、ムカつく生徒ども!!しばくぞッ!」

浬にまでチャン呼ばわりされたからなのか、今度は青筋を立てて激怒する。
しかし、綺麗な顔は怒っても綺麗なのは変わりない。

目の前で、繰り広げられた三人のやり取りに朔夜は、笑みが零れた。

「榎本、ちゃんと睡眠取れよ。」

「あ、ハイ!」

「それから、オマエラ二人!ここに来ない日を作れ。俺も忙しいんだから。」

真壁は睨むが全く効いていない。

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あきゅろす。
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