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香蘭学園
8
いいこと、悪いこと。
何があったとしても時間は皆、同じ様に刻々と過ぎ去っていく。

いっそのこと、地球儀の上での出来事だったらイイ。

そんな願いは都合よく聞き入れてもらえるわけもなく、いつもと変わらず学校は始まっていた。

日狩と朔夜はあれ以来口をきいていない。

そして、授業も残すところ今日最後の体育のみになった。
体育は、体育館でバレーボールだ。コートには朔夜の姿があった。

「…お前の姫君は機嫌悪そうだな。あ、お前もか?」

コート内では朔夜のミスが目立つ。それを見た南条浬が率直な感想を述べた。

「あぁ…かなりね。イライラする。」

体育館の隅で優雅に佇む浬み互いをみやる。
しゃがみ込み知らず知らずのうちに朔夜を目で追っている日狩に笑いを堪えていた。

「どうせお前が悪いんだろ?」

「アハハ、自覚ねぇよ。悪いと思ってねぇし。なんなら南条、お前も共犯な。」

「俺、今付き合ってるヤツいないし。何しようと関係ないだろ。」

浬は心外だとばかりに苦笑を漏らする。
日狩と朔夜のことは見ていれば何があったかなんて浬にはお見通しだった。

普段でも他人の恋愛事情に干渉しない浬が言うのだから余計にタチが悪い。

「まぁ、それはそうなんだけどな。」

浬の指摘に図星をつかれ、日狩が苦笑した。

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