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香蘭学園
3
「オッス!」

「本当にイイのか?」

「アハハ…溜まるモン抜かなきゃムリヤリ襲っちまいそうで。」

寮の入口には私服姿の南条浬と曖昧に笑う日狩がいた。
浬は日狩を見るなり苦笑を漏らし、引き止めるわけでもなく黙ってついていく。

二人は学園の裏で囁かれている『王子様ランキング』学年TOP3に入っていたりした。

だが、香蘭学園は男子校であり困ったことに彼等は野郎には興味がない。

専ら、抱くのは女。暇になると二人で街中へ繰り出していた。
寄ってくるものは拒まない。己の性欲処理をする為だけに町外れのピンク色のネオン街へ連日足を運んでいた。

シャワー上がりの日狩がけだるさを残したままタバコの煙を吐き出す。

「日狩クンって特定のカノジョとかいるの〜?」

「アハハ…残念ながらいない。」

日狩は、馴れた台詞で答えた。今日出会ったばかりの彼女は質問ばかりを重ねる。

「意外〜!セックス上手いし付き合ってよ。」

「…考えとく。」

「ホントだよぉ〜。」

茶髪の若い女の子は、日狩の返答にプウと不満そうに頬を膨らませた。

日狩は好きだとか、嫌いだとかの感情は目の前の女の子に対して持ち合わせていない。
実の所、名前さえもろくに覚えていなかった。

都合のいい時に抱け、後腐れなく終われる関係が理想的で、それ以上の関係を求められても困る。

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あきゅろす。
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