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香蘭学園
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胸が、締め付けられるように痛む。

自分の知らないところで辛い思いをしていた。それを想像すると耐え難い震えが襲ってくる。

「もう…、話さなくていいよ。」

これ以上聞きたくなかった。

目を合わせられない。
日狩が母親を憎む理由がわかったから、全部聞いたら涙腺が壊れ溢れてしまう。

「アハハ…朔夜のことガキって言ったけど、ガキは俺の方だな。カッコワリ…。」

笑ってはいるが、最後の方は投げやりに吐き出される。

どんな表情を今しているか口調で大体は検討がつく。

「そんなこと言うなよ…。そんな風に思わせてゴメン。知らないですませられない…よね…。」

偽りではなく本心から謝りっていた。
このくらいしないと気がすまない。こんなのじゃ足りない。出来ることならどんなことをしてでも償いたかった。

「朔夜…。」

「何?」

日狩の腕が腰に密着し、深い場所まで響く低い声。

ざわめく心中。
自然と身構えて、何でも受け入れてやると批難の台詞を待っていた。

「大好きだよ…兄弟としてとかじゃなくて。」

「…へ?何言ってんの?熱でおかしくなっちゃった?」

熱のせいで日狩がおかしい。何を言っているんだ?

頭が真っ白になる。

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